今日の店頭は新之助上布

今日の店頭の陳列は
こころやオリジナルの新之助上布の綿麻に、紋織の紗の八寸です
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ラッコに蛤

皆様には釈迦に説法ですが、
着物が直線柄(縞や格子、市松)の場合

同じようなピッチの、縞や格子、市松を帯に持ってくると同化して間延びしてしまいますから
帯も直線柄を合わせる場合には、雰囲気の違う直線柄を、たとえば
・縞に市松
・格子に縞
また、縞同士でも細い太いで変化もつけられます

そしてこのコーデは、格子に流水
直線と曲線の組み合わせで、変化とメリハリがつきますから、相性が良い取り合わせの一つです

同系色でまとめました
ここに、帯〆や帯揚げが入りますが
・ミント系で合わせて、シャーベットのようなイメージでまとめる
・帯の中に入った色を拾ってまとめる
・紺や緑の濃色でメリハリを利かせて締める
などのパターンがあり、様々に楽しんでいただけます

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新之助上布をご覧いただけるのは、大阪ではこころやだけです

綿麻生地は、たて糸に綿、よこ糸に麻を使用する「交織」の生地です
糸を作るときに素材を混ぜる「混紡糸」を使った生地とは違い、綿と麻の素材感がより際立ちます。滑らかに加工された細番手の綿糸を使うことによって本麻の生地よりも肌あたりが柔らかく、ハリ感の中にも、ふんわり感があります

本麻生地は、上等の麻糸を惜しげもなく使い、丁寧に、心を込めて織られています。艶、軽さ、そして麻といえば着姿の硬さを連想されるでしょうが、新之助上布の本麻は、しっとりしなやか、体に寄り添い、はんなりとした着姿になります

いづれも、ここでは云い尽くせないほどのこだわりと、嘘やごまかしのない正真正銘の仕事がたっぷりつまった素晴らしい織物たち、大西實氏(私は敬意を込めて師匠と呼ばせてもらっています)の想いが詰まった「ちゃんとした」織物たちです



この師匠の織物に出逢い、真摯なもの作りの心に触れたからこそ、着映えの良さを第一に考えて、温故知新の心で当店オリジナルをこしらえてもらおうと云う気持ちになりました

そして、オリジナルを作るにあたり、こんな経緯がありました

これは、良くある大格子の反物のデザインです
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仕立てるとこうなります
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反物の横幅を40センチとして5等分で8センチ太さの縦横の格子になります、仕立てる時、背縫いを2センチ取ったとしまして、反の端っこの柄の残りは6センチ、背縫いで合わされば12センチ背中に白い部分がくる計算(あくまでも計算上です、実際は布を体に巻きつけますから、そこまで大げさには見えないのですが)になります、反物としてみれば綺麗ですが、実際仕立てると、背中の白場が目立ってしまいがちです

そこで、第一回目の製作はこうしました
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背縫いを五分(約2センチ)と想定し、背縫い分を引いた反物幅(約36センチ)を4等分(9センチ)しました、反の端にくる白場は半分の4.5センチ、背縫い分の約2センチを足し6.5センチ、そうすると計算上では背中の白場が9センチでちょうど柄が合います
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実際こんな感じに仕上がりました
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そして、もう一点、普通の格子と違うところがあります。わかりますか?

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これは「義経千本桜」いがみの権太の衣裳です、良く見て下さい、格子が長方形になっています。歌舞伎の衣裳では子供っぽく(無邪気、雅気溢れる様子)見せるときは正方形の格子を、すっきりと粋にみせる時には、長方形の格子を使うのです。魅せ方の工夫を積み重ねて生まれた洗練ですが、巧まずして黄金比になっているのです
やはりこれは取り入れるべきでしょう、と云う事で格子の交差点の濃い部分を黄金バランスの比率で整えました

・黄金比率ですっきりと
・誂えて仕立て上がった時に綺麗に見える柄ゆきで
團七格子ですから大胆に大きく、爽やかな夏の料でもあり普段は着ないような大柄のものでも着てみましょう、楽しくイイものですよがコンセプトでした

けれどやはり女性の着用をメインに考えた場合、もう少し格子を小さめにすると一層着やすくなるのではないか、明くる年の製作はそこからスタートしました

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こうなりました、最初は両端に白場を持ってきて格子を割り振りましたが、柄が小さいように思ったので、イレギュラーですが追っかけ仕立て(緑が白を追っかけているように順に並べる仕立て方法。 左右の袖も柄の出方が違います)を前提に左右非対称の柄付けにしました、この方が格子の大きさのバランスも丁度良いだろうとの判断です。両端が太いのはもちろん背縫いの縫い込み分を足しているからです、シンメトリーではない分、少し動きも出ました
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着物の世界に美しい柄は溢れています、その中でも何て事のない只の格子ですが、師匠の織物の一つ一つの丁寧な仕事の積み重ねが生地感と着姿に反映するように、ただ格子を置くだけではなく自分なりの想いを形に掘り下げて練ってみました、ちょっとした事の積み重ねですが、背縫いの柄がキッチリと合って、格子を縦長にする事でほっそりと見えます、ほんの少しの工夫ですけれども、さりげなく美しいとお褒めに預かり、冥利に尽きます







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2016-06-13 Mon 14:29 ∧top | under∨
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