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新之助上布への思い

十年ほど前「新之助上布っていいよ」って推してくれたのはモリタマミさんでした。さすがの先見の明!

春夏に着られるので色柄の楽しい太物はないかとアンテナを伸ばしていたところでした。早速に連絡を取って近江へ伺いました。

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物作りを極めた人独特の目の光があって、織物との向き合い方がまっすぐで、命がけで、ぶれず、折れず。そしてどちらかというと「気難しい」けれども「情がある」いわゆる職人肌。そんな大西實さん、ご縁があってお付き合いをさせていただき、今や新之助上布の元に集う仲間共々に、尊敬と親しみを込めて師匠と呼ばせてもらっています。

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ふとした時に師匠が語られる、新之助上布のこだわりの数々。
糸に凝って、丁寧に織り、仕上げまで、一切の手を抜かれない姿勢。

けれどそこまでこだわって織りあげた綿麻の生地が28,000円「それじゃあ師匠、工賃が出ないやないですか、品質としては値上げしても良いのではないんですか」というても「まぁまぁ」と笑わはるだけです。

最初は、色や柄の可愛らしさ、綺麗さから入りましたが、知れば知るほど生地の上質さにハマって行きました。

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例えば、こんなこともおっしゃっていました。
「反物の状態で80、仕立てて、着て、水を通して、100になるように織ってます。」と。

「スローライフ」な頃は、着物も長期間の使用を考えて「着るごとに育つ」しっかりとした、もの作りをしました。着て行くウチに柔らかくなる風合い、落ち着いて行く色彩や艶感を愛でました。
高級呉服はその伝統を守っていますが、それを普段着物でもなさるのです、カジュアル着物の中には、色柄のインパクトはあるけれども、生地がイマイチのものも結構あります、けれども「ファストファッション」の一面もありますから、コストを考えれば致し方ないことです。
しかし敢えてそこをしっかりと守られる姿勢が素晴らしいです。「当たり前の事を当たり前に」これが一番難しい。

むろん、生地が良いのですから、色柄の美しさと相俟って、着姿が倍増しに美しく上がります。新之助上布は、他の同価格帯のものと比べ、格段にしなやかで柔らかいので、シワが比較的よりにくいです。いわゆるワンランク上の風合いがあります。真っ直ぐで丁寧な仕事の結晶です。

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師匠は、呉服業界の川上(作り手)の立場におられて、この業界の栄華盛衰をとっくと見てこられました。一般的に言われる衰退の原因となったこの業界の様々な問題は、私から見ても「その通り」やと思いますし、師匠自身忸怩たる思いをされた事は、一篇やや二篇ではないでしょう。そこで師匠は、製造直売でお客さんに直接伝える、丁寧な上質な仕事の、良い物を安く、小売屋には貸さない、問屋とも距離を置く、そういうスタイルになさったようです。

新之助上布には、業界の希望も詰まっているように僕は思います。

そして、常に「初めて着物」の皆さんに門戸が開いています。

・こんなに利口なものはありません、柄行きはシンプルで、楽しい物から合わせやすいものまで幅広く。カジュアルでファッショナブルで、お手入れも簡単です。

・暑いシーズンのものなので、裏地がいらないため、仕立て代が割安。

・最初、悪い生地をお召しになって、蒸されるような感覚を味わうと「きもの=暑い」のイメージの虜になるでしょう、着るものに肌は正直です、新之助上布なら、また着たい、と思われるはずです。

新之助上布は、私は良心が詰まった着物やと思っています。

「若い子が買われへんようになる」っとおっしゃって、価格を据え置かれています。着物好きの皆さんも最初は当然初心者さん、着物にご興味があったら、軽い気持ちで、ぜひいらしてください。新之助上布は、私は良心が詰まった着物やと思っています。


そして、着物好きの皆さんも、存分にお楽しみいただけます。


日本の仕事として誇りを持ち、ものづくりをしてきた、この業界ですが、衰退の一途、昨日まで普通にあったものがフッと消えてしまう中で、師匠の織物があることが、とても心強く。

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そんな、素敵な新之助上布。大阪では現在、こころやが取り扱わせてもらっています「大阪ではカッちゃん(私の名前)がおるから」とありがたいお言葉。けれども、やはり皆さんにたくさんの新之助上布を見ていただきたいし、師匠に来ていただいて「大阪にもこんなにファンの方がいたはりますねんで」どんなもんです!と見せたいし、今回、満を持して大阪で「新之助上布展」をいたします。

このイベントは皆さんに広く「新之助上布」の良さを知ってもらうのがメインです。

準備や段取りの都合で、こころやの主催ではありますが、あくまでも「新之助上布」の師匠と織物たちが主役でたっぷりとご覧いただく会です。こころやはそっとサポートです(夏物の帯や小物も出展致しますので共にご覧下さい。)

ですから「呉服屋の展示会怖い!」なんて決して思われませんように。こころやが嫌いな方も、新之助上布の、師匠、奥さま、東京からスタッフの奈夕ちゃんが楽しくお迎えいたしますからどうぞ、いらしてください。
よろしくお願いいたします。

皆さん広めて下さい、お誘い合わせの上、たくさんたくさんいらしてください。どうぞよろしくお願いいたします。



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「新之助上布展」

2018年4月6日(金)〜9日(月)
Open11:00/Close18:00(土曜は17時半迄)

土日の週末は大西夫妻が在廊します、期間中は東京から楽しいスタッフと、こころやがコーデや採寸の見立てを致します。

天満橋のマルゼンボタン2階ギャラリーで二本立。


大阪市中央区島町1-1-2




『アイテムのご紹介』

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綿麻生地
たて糸に綿、よこ糸に麻を使用する「交織」の生地です
糸を作るときに素材を混ぜる「混紡糸」を使った生地とは違い、綿と麻の素材感がより際立ちます。滑らかに加工された細番手の綿糸を使うことによって本麻の生地よりも肌あたりが柔らかく、ハリ感の中に、優しい触感があります。

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本麻生地
良質の麻糸を惜しげもなく使います。艶やかです、肌写りが格段に良いです。軽く、そして麻といえば着姿の硬さを連想されるでしょうが、新之助上布の本麻は、しっとりしなやか、体に寄り添い、肩のラインがはんなりとした着姿になります。

いづれも機械織です「手織りやないんや」とおっしゃるなかれ、新之助上布では一般的な機屋さんより、さっきも申し上げましたが、ずっと手間をかけられます。こだわりと丁寧に手間を掛けること、それが積み重なり昇華して、他とは違う出来栄えになります。

ちなみに、こぼれ話。
作品は師匠にとって子も同然。出張催事の準備と片付けの時、師匠は慈しむように丁寧に丁寧に扱われます。その姿がまたいいんです。

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そして「本麻襦袢地」
天下無双、触ってみれば違いがわかります。
これとて機械織りですが、エピソードをひとつ。糸が細いので切れやすく織機から目が離せないので、師匠はこれを工場に電話のかかってこない、休日の土日にしか織られません。「もう目がしんどい」とおっしゃるほど、体を張っておられます。軽くて、清涼な着心地で、風が抜けてゆきます、艶々です。


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真打、伝統工芸士大西實の「手織・新之助上布」
麻のシャリ感に、絹のようなしなやかさ。丁寧に、心を込めて織られています「上布」上等の布といわれる所以です。大阪ではこれは滅多に見られませんので、ぜひ見て触れて頂きたい。いいですよ、ほんと素晴らしいです。



初めての方、もちろん購入が前提ではありませんから、どうぞご遠慮なくいらしてください。

また物作りをなさる皆様方も、素敵な作品に言葉はいりません、じっくりお楽しみ頂ければと思います。

皆様のお越しをお待ちしております。

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2018-03-18 Sun 21:43 ∧top | under∨
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