セールのお知らせ |
明治の十九年(1887年)に、ご先祖さんが店を開いてから125年が経ちました
皆さんのお蔭やと感謝しています、ありがとうございます 僕の代で創業150年までは行きたいです、あと25年、僕は65歳です 曾祖父は84歳と当時としては長命でしたが、祖父も父も還暦で亡くなっているので ちょっと心配です。呑み過ぎんと、健康に留意せんならんと思っています 元気な坂田藤十郎さんにあやかって、創業170年まで行けるのが夢でもあります あと45年、45年後って世の中は、呉服の世界は一体どうなっているのでしょうねえ それはさておき、5年毎の開催の「蔵ざらえ赤札市」をします 日程は来月の2月18日(土)から25日(土)まで 途中23日の木曜日はお休みを頂きますが一週間です 何のおかまいも出来ません、一年中で一番寒い時でもありますが ふらりと遊びにきて頂ければ幸甚です 5年に1度というのは、何も勿体ぶってるわけやないんです ウチなんかの小さい店は、在庫処分セールをするにしたかて精々5年毎くらいやないと 在庫なんてたまりません かと云うて「在庫処分」と銘打っただけの展示会を毎年したいとも思いませんから、そないなってしまうんです 言い訳がましいようですが 普段から値付けには心を砕いて、なるべく安く、正直価格でやらしてもろてるつもりです なので実際、赤札市やと云いましても、元々の値段が安いので 余所さんがやってはるような、90%OFFとかそんな大きな事は出来ないのも実情であります そういう意味では地味な、華のないセールやとは思いますが 大きな割引の得と云うよりは、物の値打ちを見て頂いたら、必ず安くて価値はあると思いますのんで どうぞもしご入用のもの、出逢いの物をお探しでしたら、いらして下さいね これから売り出しまで、折々に、商品をアップして参りますので、たまに覗いて下さいませ どうぞ宜しくお願い申し上げます ![]() 追伸 こころや春のお出かけ「大阪ディープツアー」を今年も開催致します! 日程は4/28(土曜日) 国立文楽劇場にて「四月文楽」(金閣寺・桂川連理柵)を観劇、別室にて特別に人形の説明を聞いて頂きます 二次会はスッポンコースのコラーゲン祭り 春はあけぼの、肌はつやつや 心地よい陽気の中を、どうぞ着物で楽しみましょうね 皆様のご参加をお待ちしております エントリー、詳細の発表は2月の上旬を予定しております、こちらもどうぞよろしくお願い申し上げます |
延若さん |
こないだ生玉さんのそばを車で通りましたらば
こんな看板を見つけました ホテル延若 ![]() 古めかしいですねぇ 昔、大阪では人気の役者ハンの名前を冠したお店や商品が結構ありました 今でも扇雀飴本舗さんはありますね、これは今の扇雀さんじゃなくて お父さんの藤十郎さんの扇雀時代の飴ちゃんです 扇雀ブームっていうのが戦後あったそうで、その頃のものやそうです そのまたお父さん、二代目鴈治郎さんの翫雀飴ってのもあったそうですし 日本一色気のある目の持ち主、初代の鴈治郎さんの鴈治郎飴ってのもあったそうですね 役者はんと飴ちゃん 甘い甘い組み合わせですねぇ ![]() 頬かむりの 中に 日本一の顔 と川柳に詠まれた初代の鴈治郎さん 延若といえば、實川延若さん 三代目は確か千代の富士の引退の日にお亡くなりになってはるから もう20年になるのですね 顎の長い、古風な顔の、大阪の豊かな風味のある、ええ役者さんでした ![]() 普段は謹厳実直を絵にかいたような折り目正しいお人やったそうですから 逆さクラゲのお色気ホテルの名前になるにはそぐわないような気もしますが 戦後すぐに亡くなられたお父さんの二代目の延若さんは三代目さんとは逆に それはもう舞台でも私生活でもお色気たっぷりやったと 古い本で見たり、歌舞伎贔屓の年配のお客さんから聞いたりしました 二代目全盛の当時は顎のしゃくれた人の事を「延若」 チリレンゲの事を「延若」とまで言うたそうで 素顔は決して美男子ではなかったものの いざ顔をして舞台に立つと、それはもう匂い立つような色気があったそうです ![]() 二代目の延若さん ![]() 切手にもなった晩年の延若さんの五右衛門 二代目、お若い頃は、もててもてて仕方がなかったそうで 気力体力も溢れんばかりやった延若さん 関係を持った女性の名前を「朱唇帳」と名付けたノートに書きとめれば 何冊にも何冊にもなったほどの艶福家やったとか なるほどそうとなれば、ホテル延若も その名前にあやかりたくなるのは、もっともな事やと 写メを撮りながら、つらつらと |
初春芝居 |
松竹座昼の部を観に行きました
道頓堀に、中座以来の櫓が出ました、何とも嬉しいものですね 西の藤十郎さんに東の團十郎さん いわゆる役者の神様の二枚看板です 二枚目に海老蔵さん、全部の狂言にご出演の大奮闘 まぁ何やかや云うても、顔と姿はよろしいなぁ、色気もあるし えらそうな事いいますけれど これで義太夫を住大夫さんあたりにしごいてもろたりして音の修業なすったら ちょっと滅多にない役者はんにならはるんとちゃいますやろか しかし藤十郎さん綺麗 変な例えですけれどもね 地元を走るチンチン電車の、日本で現役最古のこの車両とほぼ同い年やそうです ![]() 変な例えですけれど、そない思たら若い若い しかしやっぱり秀太郎さんは義太夫の味がしゅんではりますね、うっとりします 文楽観賞直後の吃又やったので、同じ義太夫でも中身は全然違うのがようわかりました 修善寺物語には進之介さんがお出ましでした 出番が長かった、せやけど失敗しはらなんだ、やんややんや あの無垢な風情はおじいちゃん譲り、姿もええし、伊左衛門出来ませんやろか。。。。。 今回の番付です ![]() 表紙の説明書きには 初代歌川芳豊画「花暦浪花自慢 住吉初卯の日の日参」と買いてあります 引用すれば 「かつては初卯参りが盛んで、正月の初卯の日に住吉大社へ参詣し、卯の札という神符を授かって帰った。 現在でも住吉大社では毎月最初の卯の日に「卯の日祭」が行われ、卯の日は特別な日になっている。 これは鎮座が西暦211年、卯の年卯の月卯の日とされていることによる。 特に五月には卯の葉を境内の「五所御前」(住吉大神顕現の地)に捧げる卯の葉神事があり、 鎮座記念日としての祭が続けられている。 本図は初卯参りの賑やかな参詣風景を描き、夫婦連れや子連れ、芸妓を連れた旦那や駕籠での参詣者、 物乞いの子供の姿などが見える。参詣者の手には縁起物の「住吉踊」(現存)の玩具が見える。 こうした賑やかな参詣習俗は、上方落語の「卯の日参り」にも反映され、旦那と髪結いの道中の中で、 参道の放し鳥や住吉踊の売り声、茶屋の呼び声などが描写されている」 おめでたい初芝居に、縁起の良い住吉さんの表紙 残念ながら初卯参りは、往時の賑わいはありませんが 今年の初卯は12日で、もちろん今でも初卯祭は行われています 今年は湯神楽とも重なり、境内は昔と変わらぬ賑やかさでした 話があらぬ方向に飛びましたが、地元住吉さんの事ですから、筆の進むままに |
角袖をば |
![]() 髭紬の反物です 角袖コートのご依頼がありました カシミヤやら紬も素敵ですけれど 折角ならなるべく人の着ていないものをと思い、髭紬でこしらえる事にしました 先染めのものは色に限りがあるので、白生地を取り寄せて 染めることにしました 裏地はもちろん「裏まさり」で派手やかな華やかなものを持ってこようと思っています 道行く人が振り返るようなものにしたいですね ええもんでけまっせー |
風邪には |
何だか寒気がして、風邪の引きはじめのような気がしたので
早速対策を こういう時、商店街は至極便利に出来ておりますね 三軒隣のコクミン薬局に駆け込めば、薬は売るほどあるのですから 一度深く風邪を引いてしまうと、治りが遅く 元々体温が低い方なので、発熱なぞすると、大げさなようですが寝込んでしまいます そうなると仕事ができないので、かならずこうして初期の内に退治てしまうのです ![]() お葱中心の野菜をたっぷり取って、おうどんで体をぬくめ 上等の栄養ドリンクを奮発し、葛根湯と生姜湯にすりおろしたショウガをたっぷり入れたのを飲んで じっくりお風呂で温まったあとは、加湿器と暖房を効かせた部屋でひたすら眠るようにしています 大抵はこれで、風邪もどっかに飛んで行きます 今回もこの作戦を決行しましたが、何がアカンかったんでしょう 体が火照って火照って、眠れませんでした 過ぎたるはおよばざるが如し 治りましたけれど、やりすぎたかもしれませぬ |
プリンを |
難波に出て、一芳亭でご飯を食べました。
脂身のゼラチンの美味しい焼豚を辛子酢醤油でお酒を 唐揚でビールを、首の身をこそげて食べるのが美味しゅうて 卵の薄焼きが包み皮のおつゆたっぷりのしゅうまいでお酒とビールを きもの照り焼きでご飯 砂づりとココロと肝を玉ねぎと共に炒りつけて、甘めの味付けがご飯とあいますねん そして〆に優しい味のスープを頂いて、お腹もこころも温かく 昔ながらの味が好きです 水掛け不動さんにお詣りしてから純喫茶アメリカンに ![]() 子供の頃から変わらないここのプリン 缶詰のみかんと、真っ赤なさくらんぼうがなければ 仏作って魂いれず バランスといい、色合いといい 味だけやなくて姿かたちに夢があるやおませんか 大人になったのでコーヒーとセットで頂きます 昔は苦うて飲めなんだのが、飲めるようになりました まぁそんなんいうたら、ビールも苦うて飲めませんでしたが。。。。。 でもこれはいまだに、そんなに量を飲めません 瓶でも小瓶、生でも小が丁度良いくらいです それとくらべたら、お酒(清酒)は口当たりがいいので好きです 父が晩酌してるのんを、横手からちょっともろて 酢の物みたいなアテでもって飲むときのおいしさはこれ子供のころから好きでした 早う大人になって心ゆくまで呑んでみたいと思てましたっけ ミナミは小さいころからヨソユキの特別な場所でありました 今でも歩くとワクワクします 随分景色も変わりましたが こんな、変わらない場所を巡るとほっとするんです |
とんど焼 |
昨日で松の内が終わったので
お鏡さんは鏡割りをして、注連縄は住吉っさんのとんどで焼いてもらいました ![]() ![]() けむりを浴びると一年息災やそうですよ お鏡さんは、今年僕大厄なので、節分の時にお善哉に炊いてご近所にお配りしよかと思ってます |
泣き笑い |
NHKのカーネーションにはまっています
面白いですねぇ 泣いたり笑ったり 寛美さんの松竹新喜劇にも通じますね、義理と人情、泣き笑い おばあちゃんから聞いた、大将、戦前、船中、戦後の色々が なんだかそのまま映像化されているようで、そこもまた好きです ウチにある大正時代の店頭写真が小原呉服店とそっくりでびっくりしました 糸子ちゃんが洋装店の店主やのに着物を着るんは 自分自身を着飾るよりも人を喜ばせたいという気持ちからやそう そういえばウチのおばあちゃんは 「エエ着物はお客さんに喜んで買うてもらうもので、自分で着るもんやおまへん」 とよう云うてました せやから店に立つ時はごく質素な着物を着てましたっけ そんなこんなをたまに思い出しながら、楽しくみています |
住吉市戎 |
えべっさんといえば、ミナミでは今宮のえべっさん
道頓堀を宝恵籠が通る様子は本当に華やかですし キタの西宮のえべっさんの福男の勇ましさも全国的に有名でしょうけれど 住吉さんにもえべっさんがあります 大阪では一番古いお宮やそうで 歴史的にも貴重やそうです 地元の僕らは、えべっさんといえば「住吉市戎」 でも案外地元以外は知られてないようです 穴場なんですよね 九日の宵戎、十日の本戎の二日間で 笹の吉兆がかなりお値打ち、お財布を気にせずザックザックつけられます お餅撒きもあり、福引もあり、雑踏はなし、ゆっくり楽しく商売繁昌 ![]() 去年の古い笹を持って住吉のえべっさんへ ![]() 吉兆の授与所です ![]() ザックザックと笹に小判 ![]() 商売繁昌のご祈祷をしてもらい 福餅を頂いて ゴージャスな笹を頂いて帰りました ![]() ザックザク あ、大阪だけですかね えべっさんへお詣りしたあとは、寄り道しちゃいけないっていいませんか? 福を寄り道先に落としてしまうそうですね ダッシュで店まで帰りましたよ |
初春文楽 |
松の内に伺うと、お正月飾りに、撒き手拭、晴着をお召しのお客さん方で華やいで常より心が浮き立つような気がします
![]() ![]() 立派な門松 ![]() 今宮のえべっさんの宝恵籠 お人形さんが乗りはります 去年、噺家さんの宝恵籠には鶴二さんが乗りはったそうですね ![]() おなじみにらみ鯛 ![]() 大きな大きなお鏡、一斗はあるでしょうか、お鏡割りをしたらば一体何人前のお餅ができるやら 神様、住大夫さんのご出演なさる菅原伝授手習鑑の公演の方は、楽近くまで楽しみにとっておいて 初芝居は、吉野山と四の切と壺坂を聴きました ![]() 舞台の額縁にも愛嬌のあるこしらえもののにらみ鯛 ![]() 床の上には大夫さんの貫禄に負けないような注連飾り まずは可憐な吉野山 千本桜の満開の吉野の山を背景に静御前と忠信の道行であります 「恋と忠義はいづれが重い・・・・」 豊かな義太夫の詞章、はんなりとした曲調 清治さんの派手やかで色気たっぷりの三味線、呂勢さんの美声 続いて四の切、咲大夫さんの円熟の語り、狐言葉の中にも情がこもる そして勘十郎さんの遣う忠信のケレン味たっぷりの楽しさ 早変わりあり、見台が割れての登場や、鼓の中から出てくる仕掛けの面白い事 最後は宙乗り、喜ぶ源九郎狐の持つ初音の鼓から桜の花びらがひらひらと舞い散る舞い散る 極彩色の美しさ、でも何だか儚くて、感動して涙が出ました そして壺坂、お里沢市 久しぶりに源大夫さんを聴けて本当に良かった 枯淡な味わいの中に艶もあって、もうお人形そっちのけで、かぶりつきで聴きました 素晴らしかった 春は名のみの風の寒い夜でしたが 良いお芝居を観れて、余韻で心温かく文楽座を後にしました ![]() これは劇場で頂きました 熨斗紙は自作なすって、中は上等の塩昆布で慶ぶ なんてすいなんでしょう |